可塑剤

可塑剤とは、合成樹脂・ゴム・繊維などの高分子物質に可塑性(※)を与え、加工しやすくするために添加する低分子量の物質で、フタル酸エステル系・燐酸エステル系・樹脂酸系などのものがあります。 また、可塑剤は、私たちの暮らしの様々な分野で役立っており、例えば、塩化ビニル樹脂(塩ビ)を中心としたプラスチックを柔らかくするために用いられるなど、そのほとんどが、酸とアルコールから合成される化合物(一般的にエステルといわれるもの)で、用途に応じて様々な種類があります。 当社では、国内唯一のDBP(フタル酸ジブチル)メーカーとして製品を供給し、私たちの暮らしを支えてまいりました。DBPは、可塑化効率、加工性に大変優れ、塗料、接着剤、特に柔軟性を要求される塩ビなどを中心に使用されています。

※可塑性 : 物体に圧力などの外力を加えて変形させ、外力を除いても物体がもとの形にもどらない性質

可塑剤製品

DBP C₆H₄(COOC₄H₉)₂

フタル酸ジブチル [ 分子量:248 沸点:340℃ ] 加工性、可塑化効率に優れた可塑剤。主に塗料、接着剤、ゴム製品等に使用されています

検査項目 単位 規格値
色相 APHA 25以下
比重 20/20℃ 1.048±0.003
酸価 KOH mg/g 0.05以下
エステル価 KOH mg/g 403±3
屈折率 25℃ 1.491±0.003
加熱減量 125℃
±3/3h
0.5以下
加熱後の酸価 KOH mg/g 0.08以下
ガソリン 混合試験 合格

DOP C₆H₄(COOCH₂CH(C₂H₅)C₄H₉)₂

フタル酸ジ-2-エチルヘキシル [ 分子量:390 沸点:386℃ ] 汎用的な可塑剤。主にビニル樹脂全般に使用されています

検査項目 単位 規格値
色相 APHA 25以下
比重 20/20℃ 0.986±0.003
酸価 KOH mg/g 0.05以下
エステル価 KOH mg/g 287±3
屈折率 25℃ 1.485±0.003
加熱減量 125℃
±3/3h
0.1以下
加熱後の酸価 KOH mg/g 0.08以下
体積固有抵抗 30℃ Ω-cm 5.0×10¹¹以上
水分 0.03以下

DINP C₆H₄(COOC₉H₁₉)₂

フタル酸ジイソノニル [ 分子量:418 沸点:403℃ ] 低揮発性、耐寒性に優れた可塑剤。主に塩化ビニル樹脂全般に使用されています

検査項目 単位 規格値
色相 APHA 30以下
比重 20/20℃ 0.976±0.003
酸価 KOH mg/g 0.05以下
エステル価 KOH mg/g 267±3
屈折率 25℃ 1.484±0.003
加熱減量 125℃
±3/3h
0.07以下
加熱後の酸価 KOH mg/g 0.07以下
体積固有抵抗 30℃ Ω-cm 1.0×10¹¹以上

DIDP C₆H₄(COOC₁₀H₂₁)₂

フタル酸ジイソデシル [ 分子量:446 沸点:420℃ ] 低揮発性、耐寒性に優れた可塑剤。主に電線、レザー等に使用されています
検査項目 単位 規格値
色相 APHA 30以下
比重 20/20℃ 0.968±0.003
酸価 KOH mg/g 0.07以下
エステル価 KOH mg/g 267±3
屈折率 25℃ 1.484±0.003
加熱減量 125℃
±3/3h
0.1以下
加熱後の酸価 KOH mg/g 0.1以下
体積固有抵抗 30℃ Ω-cm 5.0×10¹¹以上

DOA C₄H₈(COOC₈H₁₇)₂

アジピン酸ジ-2-エチルヘキシル [ 分子量:370 沸点:335℃ ] 耐寒性、ゾル粘度安定性に優れた可塑剤。主にフィルム、ペースト等に使用されています

検査項目 単位 規格値
色相 APHA 30以下
比重 20/20℃ 0.968±0.003
酸価 KOH mg/g 0.06以下
エステル価 KOH mg/g 302±3
屈折率 25℃ 1.484±0.003
加熱減量 125℃
±3/3h
0.1以下
加熱後の酸価 KOH mg/g 0.1以下
体積固有抵抗 30℃ Ω-cm 2.0×10¹¹以上

TPP [C₆H₅O-]₃P=O

リン酸トリフェニル [ 分子量:326 沸点:370℃ ] 難燃性に優れた可塑剤。主に難燃剤兼可塑剤としてフィルム、各種樹脂等に使用されています

検査項目 単位 規格値
外観 白色フレーク状
臭気 異臭なし
融点 49~50
塩化物 白濁なし
フェノール mg/100g 5以下
酸価 KOH mg/g 0.05以下
加熱減量 125℃
±3/3h
0.2以下
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